毒親ヨシコさんの事件簿~第1章 夫ユキオさんは死んでも立った!爆笑の葬式秘話~

nth3son

Once upon a time,

 昔々あるところに、ヨシコさんという昭和一桁生まれの女子がいました。いいえ、いいえ、90歳過ぎた今でも十分バズっています。ヨシコさんには、ユキオさんという同い年の夫がいましたが、ミレニアム前に亡くなりました。ユキオさんは、成人病(のちに生活習慣病と改名)を絵に描いたようなジッ様で、酒、煙草、運動嫌い、を生活習慣にしていました。

“俺は太く短く生きるんだー” (太くはないが短い人生でした)

“恩給があるから老後は大丈夫!”(恩給は死語、令和では老後は自助努力なんです)

“退職金でベンツを買うんだ!”(病気で運転できなくなって、はかない夢になってしまっただ)

と、口癖のように言っていました。それを幼い時から聞かされていた”もふもふエモちゃん”は、その言葉をずっと信じていました。

 ユキオさん亡き今、ヨシコさんとユキオさんの3人の子供たち、長女もふもふエモちゃん(エモちゃん)、長男オサチ、次女いとしのエリリン(エリリン)三人衆は、ヨシコさんが引き起こす事件に神経戦を強いられています。毒親ヨシコさんのエピソードの前に、ユキオさんの最もインパクトのある、お葬式のエピソードから始めてみましょう。

第1章 夫ユキオさんは死んでも立った!爆笑の葬式秘話

〇ユキオさんが60代で亡くなったのは、悪い生活習慣のせい!

 ユキオさんはミレニアム前、70歳目前で亡くなりました。本人の人生のポリシーである”人生短く”は全うしましたが、”太く”に関しては晩年先細りだったかもしれません。大の酒好き、お酒そのものが好き、友人も大酒飲みばかりでした。昭和一桁男子の楽しみは、毎晩の晩酌だったのでしょう。そしてお決まりの煙草です。晩年、ヨシコさんはユキオさんの部屋を“阿片の巣窟”とネーミングしていましたが、まさしく言いえて妙です。煙草のせいでいつも喉がいがらいようで、道路に粘着たっぷりの痰をペーッと吐いていました。エモちゃんは、子供心に不潔で公共心に欠ける行為だな、ととっても嫌でした。

 エモちゃんが記憶しているユキオさん像は、お腹が出ていて、血圧と糖尿病の薬💊を飲んでいる姿でした。血圧は、本態性高血圧だ!と本人自負しています。

 糖尿病に関してはとーっても長い話になります。ユキオさんの職場には、糖尿病の大先輩がいまして、詳細なレクチャーを受けていました。定期受診日の数日前から、少し節制してお酒を控えること、糖尿病の薬は2倍内服すること、検査当日の検尿には水を加えて薄めること、などの薫陶を律儀に守ること数十年、子供たちからの注意を無視し続けて、とうとう50代後半で1回目の脳梗塞が発症しました。糖尿病の合併症のひとつですね。その後も脳梗塞が数回あり、歩くのが不自由になってきました。そこでユキオさん担当の看護師さんから、少しでも歩行しやすくなるように、足の装具を作成するため、ある病院に入院しました。

〇そして、その日は突然やってきた!

 エモちやんが複数の人から聞いた証言を総合して、お届けします。

 7月のある土曜日、ユキオさんが朝ご飯を終えた時、大部屋の同室の方が異変に気付いたのが発端です。その間、何があったか、、、今となっては、いえその当時でさえもわかりません。いつも朝食後にユキオさんの病室を訪れていたヨシコさんは、さぞ驚いたことでしょう!これも想像するしかありません。

 病院の死亡診断書は“肺梗塞”と書かれていました。きっと、死因がはっきりしないので、肺梗塞になったのかしら?と思っています。

 ヨシコさん、取り敢えず子供たちと夫婦共通の友人のK氏に連絡し、棺桶におさまったユキオさんを自宅のマンションに運びました。

 しかし、そこで第一の事件が起きました。ユキオさんが亡くなったのは土曜日の朝食後、ユキオさんがマンションに到着した時はお昼も過ぎ、マンションの管理人さんは帰宅した後でした。つまり、エレベーターの中の棺桶を入れるはずのスペースを開ける鍵がないのです。ググるとトランクルームという名前のようです。まさか、エレベーターに棺桶収納のスペースがあったとは!

 そこで、葬儀屋さんはどう対応したか!死んだユキオさんにシートベルトをかけ、棺桶ごと立たせてエレベーターで運んだのでした。死んだあともシートベルトをして、立ったユキオさんは、さぞ驚いたことでしょう。

 死んでも立ち上がったユキオさん、心に残る永遠のエピソードです。

エリリン “ちょい待ち!ユキオさんは病院からストレッチャーで運ばれてきたので、まだ棺桶には収まっていないはず。関西から駆け付けたので、実際には目撃していないのですが、、、””

怪獣ブーノ(エモちゃんの夫)“その場に居合わせてはいませんが、棺桶ではないと思われます”との裏付け証言あり。

 真実は、、、“ユキオさんは、亡くなった後、自宅マンションのエレベーターに乗るために、ストレッチャーにシートベルトで固定され、縦方向に立った状態で運ばれました。”

〇Learning Points

 マンションのエレベーターの後方に、謎の鍵穴があります。これは、エレベーターの奥行きが短いとき、ストレッチャーや棺桶を入れるためのスペースなのです。おばあちゃんの豆知識として覚えておきましょう。

 我々も、ユキオさんのハプニングがなかったら、永遠に知らなかったでしょう。

〇教訓

 死んでからも立つことがあるかもしれません。生きている間に筋肉を鍛えましょう!

〇追伸

 初七日が過ぎたある日、入院していた病院から請求書と共に足の装具が送られてきました。めでたし、めでたし。

 

ABOUT ME
もふもふエモちゃん
もふもふエモちゃん
毒親ヨシコさんの事件簿の作者
ブログ初心者。 三毛猫ふたりに癒されていて、幸せです。 毒親ヨシコさんに、メンタルが壊されないよう努力がモットー。
Recommend
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました